6月限定、発酵食品づくりに挑戦「梅干し」編
梅干しは保存も効き、健康効果も期待される日本ならではの、素晴らしい発酵食品です。
あらゆるところで気軽に買えますが、原材料には素材の他に様々なものが添加されています。
やはり原材料だけで発酵させた手作りの梅干しは、私にとって憧れです。
手作りの梅干しは難しいと聞いており、チャレンジする勇気はありませんでした。
ですが、今回私は、楽して添加物のない梅干しを作ってみました。
「ご飯、みそ汁、梅干し」を渇望した、30年ほど前の海外旅行
私が育った家では、母や祖母が、毎年梅干しを漬けていてくれました。
いつも食卓には梅干しがありました。
毎日好んで食べていたわけではありません。
今から30年ほど前、私が大手住宅メーカーのOLだった頃、社員旅行がありました。
その頃はバブルがはじける前で、会社もかなり潤っていました。
会社が、社員とその家族を香港に連れて行ってくれるという、社員旅行でした。

旅行になるので、毎食外食になります。
毎回あちらの麺類が出てきます。
最初は物珍しく、食べるのですが、3回目からは飽きてきて食べられなくなりました。
もう帰るころには、「早くご飯とみそ汁と梅干しが食べたい!!」と
渇望したのを覚えています。
いつも食べたいわけではないけれど、何かリセットしたい時、調子が悪い時、
私は梅干しを食べます。
食べるとその酸っぱさで、気持ちがシャキッとして、ほっとするからです。
私にとって、何かあった時手元にないと困るのが、梅干しです。
様々な梅干しの商品と販売価格
梅干しを切らす度、何も考えないで私はスーパーで梅干しを買っていました。
実家とは遠く離れてしまっているので、いつしかスーパーで梅干しを買うようになりました。
でもパッケージの裏の原材料を見てみると、梅と塩としそ以外にも様々なものが添加されています。
主な添加物は下記のとおりです。(梅、しそ、食塩、を除く)
- ぶどう糖果糖液糖
- 大豆たんぱく加水分解物
- 酒精
- 調味料(アミノ酸等)
- 酸味料
- 甘味料(ステビア、スクラロース)
- ビタミンB1
- 着色量(赤102)

それを見るたびに、いつか自分も梅干しを漬けてみたいなあ、と思っていました。
でも、きっと手間がかかって難しいのだろうなあと、躊躇していました。
とりあえず梅干しについて、大まかに調べてみました。
(金額は税込みとします。私はスーパーの他に生協の宅配を利用しています。)
スーパーで売られている安い梅干し・・・・原産国は中国
160g・・・218円
☆1000g当たり1,362円
原産国は中国とありました。
梅、しそ、塩の他に、沢山の添加物があります。
スーパーで売られている高い梅干し・・・・紀州南高梅使用
110g・・・438円
☆1000g当たり3,981円
原材料、生産も国産です。
材料梅、しそ、塩の他にも添加物はありました。
生協に載っていた梅干しづくり代行(完全受注生産)・・・・国産南高梅使用
国産南高梅・しそ漬け梅干し・・・2000g・・・6,458円
☆1000g当たり3,229円
原材料は国産で、梅・しそ・食塩以外の添加物はありません。
※これは6月に注文したら梅干しづくりのプロの方が、梅2kgを梅干しにしてくれます。
1次加工2次加工を経て10月中旬にお届けとありました。
次に自分でつくった場合の材料費を大まかに記します。
本の通り手間暇かけて真面目に作る場合と、
今回私のように手抜きで楽して添加物のない梅干しを作る場合です。
今回私が楽して作った、添加物のない梅干し
そもそもの発端は、なんとなく無農薬無添加の食品は貴重だと私の頭の片隅にありました。
時期は覚えていませんが、昨年末か今年の初めだったと思います。
生協のチラシに以下のような商品を見つけたのです。
〇〇個限定、完全無農薬、白干梅(JA福井県 福井ウメ振興協議会)
1kg・・・4,378円
※白干梅とは塩漬け後、天日干ししたものです。
そのままでも食べられるし、とても簡単な作業で本格的なしそ漬け梅干しも作ることができます。
とありました。
私は簡単なら、、、と思い高かったのですが、買いました。
これを買っておいたので、今回しそ漬け梅干しに挑戦した次第です。
材料費・・・6,091円(1kg)
- 白干梅・・・1000g・・・4,378円
- 赤しその葉・・・500g・・・600円
- しそ梅酢・・・800cc・・・313円
- 保存瓶・・・2L用・・・800円
作り方
1.保存瓶を消毒して乾かす。
※消毒方法は前記事「6月限定、発酵食品づくりに挑戦「らっきょう」編」をご覧ください。
2.赤しその下処理
①赤しその葉はきれいな葉っぱだけを選別し、洗って乾かす。
②あら塩10gを赤しそにふり、力を入れてしっかり全体をもむ。
③黒し汁(アク)が出たら捨てる。
④ ②③を3回ほど繰り返すと汁がきれいな紫色になり、しその葉は握りこぶしほどの大きさになる。
3.材料を漬け込む
①保存瓶に白干梅を入れる。
②その上に処理した赤しそを入れる。
③梅酢を注ぐ。
※25日前後で色が染まり完成するそうです。
白干梅のままだと常温で保存可能ですが、
しそ漬け梅干しにしたら冷蔵庫で保存しなければならないそうです。

赤しその葉を使うと、何回も失敗したという母の話
恥ずかしながら、梅干しを漬けるために、私は初めて赤しその葉を買いました。
初めて葉っぱを選別し、塩でもんで梅とつけようとした時、
こんなものでいいか心配になりました。
そしてとっさに、私の母に電話をしました。
母によると、赤しその葉を買って梅干しを漬けたら、いつも失敗したそうです。
いつも梅干しの上の赤しそにカビが生えて、何回も買いに行ってやり直ししたそうです。
母曰く、塩漬けされた赤しそを買って使った方が失敗がない、とのことでした。
塩漬けされた赤しそは、赤しその下処理をせずに、すぐに梅干しと一緒につけることができます。
値段も500gで410円でした。
母も色々悩み、色々な人に聞いた結果、
赤しその葉を梅酢につける時、
赤しその葉が空気に触れないように梅酢をたっぷり注ぐと、失敗しないとのことです。
都合よく、私の買った梅酢は梅2kg用の800ccでした。
瓶に注いでみると、しっかり赤しその葉がつかっていますので、大丈夫かなあと思います。
念のため冷蔵庫で保存しています。
見た目は赤しその葉が多すぎな感じですね。

本に書いてある、手間暇かけた梅干し
本を見ると非常に手間暇がかかっています。
私が死ぬまでに一度挑戦できたらいいかなあと思います。
気持ちが乗ってきたら、挑戦するかもしれません。
作り方は前記事同様、
「カラダを守る、不調が消える 発酵食の作り方と料理レシピ150」から引用しています。
材料費も大まかに計算しています。
材料費・・・2980円(1kg)
- 完熟梅・・・1000g・・・1400円
- 赤しそ・・・3束・・・600円
- あら塩・・・125g(梅の重量の15~20%)・・・100円
- 砂糖・・・35g・・・30円
- 焼酎・・・50cc・・・50円
- 保存瓶・・・2L用・・・800円
作り方
1.保存瓶を消毒して乾かす。
※消毒方法は前記事「6月限定、発酵食品づくりに挑戦「らっきょう」編」をご覧ください。
2.梅の下処理
①梅は傷をけないように水でさっと洗い、たっぷりの水に半日ほど浸しアク抜きをする。
②つまようじで梅の下手を取り、ざるやバッドにのせていく。
③キッチンペーパーで水けをしっかり拭く。
④ボウルにあら塩と砂糖を入れ、混ぜ合わせる。
⑤ボウルに梅を入れ焼酎をかける。
⑥手で優しく梅に焼酎を絡める。
⑦消毒した保存瓶に、あら塩と砂糖を混ぜたものをひと掴み入れ、梅を数個置く。
これを交互に繰り返していく。
⑧重しとして、水(梅の重さと同じ~2倍)を入れた厚手のポリ袋を、保存瓶に入れる。
ポリ袋の重しの作り方・・・袋は必ず2重にする。
①厚手のポリ袋を2重にして瓶の中に入広げる。
②ポリ袋の口を瓶の口にかぶせて、ふさぐ
③ポリ袋の中に水を注ぎ、1枚ずつポリ袋の口を結ぶ。
※水を瓶の中にこぼさないように注意!!
3.重しをしてから5日ほど待ち、白干梅を作る。
①時々瓶を揺らして塩をとかす。
②5日程常温に置き、白梅酢(梅から出てくる液体のこと)が出てくるまで下漬けする。
③白梅酢が出てきたら、ポリ袋の重しを取りのぞく。
※この状態を白干梅という。このままで良い場合は、このまま常温で冷暗所に保存する。
梅雨明けの土用干しまで待つ。
ポリ袋の重しの取り除き方
①外側のポリ袋の口をほどいて開き、瓶の口に引っ掛けてふさぐ。
②次に水の入った袋の口をほどき、瓶を少し傾けて、注意しながら水を半分ほど捨てる。
③あとは残った袋ごと取り除く。
※水が絶対に瓶の梅酢に混ざらないように注意する。
4.赤しその下処理
①赤しその葉はきれいな葉っぱだけを選別し、洗って乾かす。
②あら塩10gを赤しそにふり、力を入れてしっかり全体をもむ。
③黒し汁(アク)が出たら捨てる。
④ ②③を3回ほど繰り返すと汁がきれいな紫色になり、しその葉は握りこぶしほどの大きさになる。
⑤3.の白干梅漬けした瓶から、白梅酢(梅から出た液体)100ccほどを④のしそにふりかけて発色させる。
5.保存瓶に4.の赤しそを入れる。
①白梅漬した瓶に、4.の白梅酢で発色させたしそを全部入れふたをする。
②冷暗所に保管して、土用干しするまで待つ。
6.土用干しをする。・・・土用とは7月25日前後
①土用になり、晴天の続きそうな日に、ざるに並べて干す。
②午前11時頃~午後3時頃、途中で上下をひっくり返す。
③夜は室内にざるごと入れる。これを3日繰り返す。
④最後の日の夜はそのまま外に干し、夜露に当てる。
※夜露に当てることで、実が柔らかくなる。
⑤天日干した梅干しは、保存瓶に入れ残った赤梅酢に浸して保存する。
※食べる分だけ保存容器に取り出していく。
やっぱり、すべて手作りした梅干しが安くて安全という結論。
本にある作り方を見て、手作り梅干しは大変だなあと感じました。
また、失敗するかもしれないというリスクもあります。
ですがかかった材料費を見てみると、一から手作りする方が安く済むことがわかります。
以下1kgあたりの値段で比較しました。
①スーパーの安い梅干し・・・1,362円
②スーパーの高い梅干し・・・3,981円
③梅干しづくり代行・・・3,229円
④私のつけるだけの手抜き梅干し・・・6,091円
⑤一から作る手作り梅干し・・・2,980円
※①②は原材料以外にも添加物があります。

原材料だけで発酵させた梅干しには様々な健康効果がある。
①梅干しの酸味成分クエン酸による効果
- 強い殺菌力・・・食中毒予防・胃腸炎予防
- エネルギー代謝を活発化・・・疲労回復効果
②梅干しから出たエキスに含まれるポリフェノールによる効果
- インフルエンザウイルスを抑制する働きが報告されている。
(一日5粒食べると予防効果があるとのこと)
という事で失敗するかもしれない手作り梅干しは、挑戦する価値があるという事ですね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。