「知って得する、家庭菜園での植え合わせの効果」
家庭菜園を始めた私は、色々な本を読む中で、自然農を理想をとし目指すことにしました。
そんな中、相性の良い野菜同士を植え合わせると、色々な効果があることを知りました。
この記事では野菜の植え合わせについて、どのようなものなのかを綴っていきます。
相性の良い野菜を一緒に植え合わせることでの、2つの効果

相性の良い野菜同士を植え合わせることで、以下の2つの効果が期待されます。
相性の良い野菜同士を植え合わせることを、コンパニオンプランツとも言います。
- それぞれの野菜の生育が促進される。
- 病気や虫による被害が抑制される。
このようなことを私が知ったのは、ある1冊の本からでした。
私は自然農を理想にして、家庭菜園をやろうとしていました。
それは農薬や肥料を使わない、土を耕さないという事を目指します。
ですが巷では、農薬を使わなければ虫の被害が後を絶たない。とか、
肥料を使わないなら、野菜は大きく育たず、収穫も期待できない。など、
そのような声も、沢山聞いてきました。
それでもやはり野菜は口に入れるものだから、たとえ収穫量が少なくても、
安全なものを作りたいと思っていました。
そのような中、ある1冊の本に出会い、野菜の植え合わせについて知ることとなります。
この記事では以下の本から一部を引用・要約して、野菜の植え合わせについて綴ります。
あわせて、私が実践したことも綴ります。
※この本の初めのページには、野菜の植え合わせ一覧表がついています。
一目で野菜同士の相性がわかるものとなっています。
その一部を載せます。↓↓↓

野菜の植え合わせ=コンパニオンプランツとは?
野菜の植え合わせによる効果は、どんな農法でも効果を発揮する
家庭菜園では大規模農業(単一栽培が一般的)と違って、少量多品目の野菜を育てることが多いです。
そのような家庭菜園では、「野菜の植え合わせ」取り入れると、更にいい効果が期待できます。
それは上記でも書きましたが、
野菜の病気や虫害を抑制したり、成長が促進されるという事です。
しかも本には、どんな農法でも効果を発揮する、と書かれてありました。
野菜を育てる方法、いわゆる農法は様々なものがあります。
例えば、化学肥料栽培、無農薬栽培、自然菜園、、、、などです。
それならば、私は野菜を作るんだったら、これは絶対に取り入れた方がいいなあと思いました。

野菜の植え合わせには3つの法則がある
現代農業は単一栽培(例えばキャベツだけを育てる等)が多いです。
それはいっぺんに作業ができ、効率がいいからです。
ですが古代人は、少量多品目の野菜を育てる方が病虫害を減らし、
健康的な作物を持続的に育てられることを知っていました。
この野菜の植え合わせの効果を最大限に発揮するには、以下の3つの法則があります。
- 相性の良い野菜を選んで、植え合わせること
- 野菜同士の相性の度合いにより、最適な距離がある
- 野菜同士の出会いのタイミングも重要→一緒に植えるのか、時間をおいて植え合わせるのか?

相性の良い野菜を選んで植え合わせること
野菜のルーツは世界各地にわたり、それぞれ違う環境に適応しているため、それぞれの好みも違います
例えば、
1.野菜がどのように水を欲しがるのか?(=の後は一例です。)
丸葉→雨の多い地帯で育ったため、水を多く欲しがる。=里芋の丸い葉

細長い切葉→乾燥に強い。=人参の葉

2.根の張るエリア
浅く根が張る野菜→里芋、トウモロコシなど。
深く根が張る野菜→ナス、トマト、スイカ、オクラ、大根、ゴボウなど。
エリアが重ならないように、ケンカさせないように植えます。
野菜同士の相性の度合いにより最適な距離がある
野菜も人間と同じで、
- 恋人同士なら一緒がいい
- ライバルなら見える程度に近くがいい
- 同じ環境で育った同士(同故郷)は、欲しいものも同じなのでケンカにならない距離がいい
のようなことも考えられます。
また距離が狭すぎると風通しが悪くなる、距離がありすぎると効果が半減することもあります。
よって、それぞれの野菜の関係性に合った、最適な距離で植え合わせをすることが重要です。
以下は、野菜同士の関係と最適距離を表した一例です。
関係性 | 野菜同士の例 | 植え合わせの最適な距離 | 期待できる効果 |
恋人 | ナス×ニラ | ぴったりの0cm | 一緒の穴に植えることで、根が絡み合って育つ。 ニラの根にいる微生物の働きで消毒効果があるで、 なすの病気を防ぐ |
ライバル | トマト×バジル | 25~40cm | トマトよりバジルの方が育ちの力が強いので、 離す距離は必ず守る。 トマト苗が根付いてから、 時間差で小さなバジル苗を植えるのがポイント |
同故郷 | スイカ×オクラ | 50cm | どちらも雨季乾季に適応するために深い根を張る。 スイカがオクラの影にならないように50c離して植える。 |


野菜同士の出会いのタイミングも重要
いつ、どんなタイミングで野菜同士が出会うかも重要になってきます。
以下、野菜同士の関係と出会うタイミングの一例を示します。
関係性 | 野菜同士の例 | 時間差 | 期待できる効果 |
先輩・後輩 | トウモロコシ×枝豆 | 半月 | 枝豆をトウモロコシよりも早く撒いておくと、 枝豆の根にいる根粒菌の働きで、土が活性化する。 結果トウモロコシが良く育つ。 |
先輩・後輩 | きゅうり×はつか大根 | 1ヶ月 | キュウリの種を撒く前に、はつか大根の種をまいておくと、 はつか大根の辛味成分がキュウリによって来るウリハリ虫などを寄せにくくする。 |
先輩・後輩 | 白菜×ナス | 季節の終わり | ナスの株ができあがってる秋に、白菜を植えると、 ナスが日差しを防いでくれる。 よって幼い白菜はすくすく育つ。 ナスの株を片付ける晩秋に、白菜に日が当たるようになり、 のびのび育つ。 |

極力避けたい関係もある
相性が悪い者同士を植えると、育ちが悪くなるので、極力避けた方が望ましい。
孤高の野菜:じゃがいも
ジャガイモはほとんどの野菜と相性が悪い。
ジャガイモと唯一相性がいいのは、ネギだけです。
ジャガイモ×ネギならば混植や交互連作も大丈夫です。
但し他の野菜とは相性が悪いので、
畑にジャガイモを作るスペースを、他の野菜と離して決めておくのが無難です。

センチュウの被害を拡大させる、インゲン
センチュウはわずか1mmで汁を吸う害虫です。
インゲンは、そこの畑にセンチュウがいる場合、被害を拡大させる恐れがあります。
よって初めての市民農園では、植えないほうが無難です。
またセンチュウ被害に会いやすい野菜(ナス、スイカ、人参など)との植え合わせは、注意が必要です。
同じ科同士の植え合わせは、基本的に良くない
ナス科同士、ウリ科同士の同じ科同士の植え合わせは良くないです。
例
(ナス科同士:トマト×ナス)
(ウリ科同士:メロンとキュウリ)→味が劣化する
以下が理由になります。
- 同じ養分を欲しがるため、ケンカになりやすい。
- 病害虫も共有しやすく、爆発的な増殖になる恐れがある。
ただし相性の悪い同士の間に、相性の良い科の野菜(マメ科やイネ科)を植えると上手くいく。


形状が似ている野菜同士
たとえ科が違っていても、根や地上部の形状が似ている野菜同士は、相性が良くない。
以下に例を示します。
ゴボウ(キク科)×オクラ(アオイ科)×ナス(ナス科)
これらは全て太い直根を持つ最悪の相性。
なぜなら地中では同じエリアで養分を奪い合い、地上では光を奪い合う。
私が実際に取り入れた、コンパニオンプランツ3例
上記の本では、季節ごとにお勧めの植え合わせのプランが記載されていました。
実際に私がやってみた植え合わせプラン3例を、以下に書きます。
スナップエンドウ×エンバク×ルッコラ(2020年9月中旬~10月)
この組み合わせは、私が初めて家庭菜園を始めて、一番に成功した組み合わせになります。
↓エンバク・スナップエンドウ・ルッコラの成長途中の写真です。

育て方 (寒冷地ではエンバクより大麦の種を撒くと良い)
- 9月中旬から10月中旬、スナップエンドウとエンバクの種を一カ所に4個ずつ撒き、 間引かずに育てる。
- エンバクの細長い葉はスナップエンドウの支柱代わりになり、冷風からスナップエンドウを守ってくれる。
- スナップエンドウが大きくなって倒れるまでに、早めに垂直のしっかりとした本支柱を立てておく。
- 翌年3月上旬から下旬、周囲にルッコラの種をばらまきにする。

この植え合わせで、地中でおこっていること
イネ科のエンバクの根は地中にぐんぐん伸びることで、土を耕し、余分な養分を吸っている。
このことで、うどん粉病やアブラムシなど、エンドウの病害虫を予防している。
またマメ科のエンドウの根にいる根粒菌の働きで、エンバクの生育も促進される。
また、隣のルッコラも根粒菌の影響を受けて、生育が良くなる。
またルッコラのお陰で土が乾燥しにくく、地温が安定するため、エンドウが晩霜の被害に会いにくい。
というように、この3つの野菜同士がお互いに相乗効果を発揮しているのです。
↓エンドウが終わった後、畝一杯に栄えたルッコラの花です。
ルッコラは、生葉で食べると、ピリッとしてゴマの風味がします。
ピザのトッピングやサラダに使われます。

トマト×ニラ×バジル×イタリアンパセリ×ラッカセイ(2021年5月)
隣の外国人の旦那様からトマトとバジルの苗を頂いたので、挑戦しました。
隣の外国人の旦那さんは自分で種を採取して、冬は室内で種まきをして苗を育てるようです。
イタリアンパセリとラッカセイの種は買いました。

育て方
- トマトの苗を植える時、同じ穴にニラを一緒に植える。
- 植え付けから一週間たってトマトの根が活着したら、小さめのバジルの苗やイタリアンパセリの苗を株間に植える。 (同時に植えるとトマトがバジルに負けやすい。) ※これは上記のようにライバルの関係なので、株間は25cm~40cmを厳守する。
- 畝の中央にはラッカセイを植えておき、晩秋の収穫までそのままにすると草マルチになってくれる。


この植え合わせで地中でおこっていること
トマト×バジルのライバル関係は、トマトの味を濃厚にする。 なぜならお互いが地中で養分や水分を求めて競い合うから。 お互いが負けないように根を張りあう。
ラッカセイの根にある菌根菌が遠くのリン酸を引き寄せ、根粒菌の働きで、空気中の窒素が固定される。
トマトの根はラッカセイの根に近づいていき、ラッカセイから窒素やリン酸をもらいやすくなる。
一緒に植えたニラは、根にある微生物の働きにより、トマトを病気から守ってくれる。

ネギ×スイカ×オクラ×マリーゴールド(2021年5月)
色々な本を読んで、ネギを植えると、ミミズなどの土壌生物が増え土が活性化することを、
知りました。
またネギの根にある菌が出す天然の抗生物質により、土が殺菌されます。
このことを知った私は、スーパーで買ってきた料理に使って捨てようとするネギの根を、
いくつか土に植えていました。
そしたらどんどんと芽がどんどんと生えてきました。
私はここにスイカを植えて、挑戦することにしました。
スイカの苗2つ、マリーゴールドの苗1つ、オクラの種を買いました。


育て方
- スイカを植える1ヶ月前の4月に、ネギ蔵を作っておく。 ネギ蔵は地中に一握りの堆肥を埋めそこにネギを植えておく。 そして土10cm高く盛り上げておく。→私の場合堆肥は使いませんでした。
- スイカとスイカは1m離し、東につるが伸びるように、畝の西寄りに配置する。
- 植えたネギをスイカのために2つ抜く。 5月初めネギとスイカの苗を一緒に植えて、保温のためにアンドンで囲む。 →私は5月の中旬に植えて、気温が高かったので、アンドンは使いませんでした。 ※アンドンとは四隅に支柱を立て、ビニールやラップで苗を保温する方法です。
- 五月下旬になったらオクラの種を1カ所に4粒ずつ撒く。 オクラが光を遮らないように、スイカからは50cm離れたところに撒くのがよい。
- オクラの芽がが出たら2本になるよう間引きする。
- オクラよりも早く、畝の中央にマリーゴールドを植えておく。
- スイカに実がついたら摘芯しなくても良い。 摘芯すると実つきが遅くなり管理しにくくなる。
※摘芯とは実を摘むこと。


この植え合わせで地中で起こっていること
1ヶ月前に作っておいたネギ蔵の周囲では、生物が活性化し地温が上昇し、スイカが育ちやすい環境ができている。
スイカと一緒に植えたネギの根には抗生物質を分泌する微生物がいるので、スイカの病気を防いでくれる。 また、スイカは連作障害を起こしやすいですが、ネギを一緒に植えると防いでくれる。
また、オクラが余分な水分を吸ってくれるので、スイカの実割れを防いでくれる。 オクラは実の下葉をどんどん取り除いていくので、風通しや日照を妨げない。
また、マリーゴールドが害虫のセンチュウの密度を抑えてくれる。 また、マリーゴールドの花にミツバチが寄ってくるのでスイカの受粉率がアップする。
今回は家庭菜園をするときに役に立つ、野菜の植え合わせ(コンパニオンプランツ)について綴りました。
相性の良い野菜同士を一緒に植えると、様々な相乗効果があるので、ぜひ取り入れてみて下さい。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。